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知識の森で遊ぶ

台北高等学校の文化は弊衣帽、ストーム、バンカラ…だけではありませんでした。当時の高校生たちは知識の森の中で自由に遊び、教師たちもまた、その専門知識を以って、生徒たちの興味・関心を無限大に引き出しました。また、名著を通し鑑賞能力や自立した思考を養い、人文方面の素養を育てました。校内には常に自由を模索する気風、積極的に読書を楽しむ学術的雰囲気が漂い、ここで高校生たちは知識欲を高め、自学精神を深めたのです。これらは全て、後に展開する大学生活へのウオーミングアップでもありました。台北高等学校本館3階の図書館の蔵書は、数万冊にも及んだ。一日中授業に出ず図書館にこもり本を貪り読む学生もいた。台湾の歴史社会を自由に探索し、その研究成果を小論文として発表する台湾人生徒もいた。

寮の生活

寮の自治生活は、高校生活における重要な要素でした。台北高等学校の「七星寮」は学生たちの自治で成り立つ学寮で、独立性と自主管理制度が採られました。入居した生徒たちは、日本人・台湾人の区別なく共同生活を送りました。 学友会活動もまた、高校生活には欠かせませんでした。台北高校には20余りもの運動部・文化部がありました。これらの部員は校内での活動の他、台湾各地はもちろん、日本内地へも遠征しました。寮祭で仮装をし、七星寮の中庭で高砂踊りをしている様子。

「弊衣破帽」の選ばれし者たち

高校生の精神が表れた言動や身なりを指し、西洋紳士のハイカラ(おしゃれhighcollar)の対語である。青春真っ只中の高校生達は、粗野なふるまいを楽しんだ。典型的なファッションは「弊衣破帽」、ぼさぼさに伸びた髪、破れた古い学生服、高校の象徴である二本の白線入り帽子といったスタイルで、帽子は穴があいて髪の毛が見えている。肩に黒いマントをひっかけ、足には幅広の鼻緒がついた高下駄を履き、腰には汚れた手ぬぐいをだらりと提げて、ステッキをついていた。これが高校生の流行ファッションで、このだらしない恰好は、戦国時代の浪人を思わせ、また第二次世界大戦後のヒッピーのようでもある。